Lifepriority 人生に役立つ動画

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中田敦彦のYouTube大学(後編)

新年快樂!

 

あけましておめでとうございます!

 

ちょっと遅くなりましたが、先日は旧暦のお正月、中国語で言うと春節、英語で言うとLunar new yearでございました。

 

新年早々コロナウィルスが大変な問題になっていますね。私も香港在住ですので、今回はちょっとやばいぞ、という感じになってます。マスクや消毒液もバンバン売り切れてます。

 

春節は中国の方にとっては、遠くで働いていた家族や親戚が集まって、ゆっくりと過ごすことができる、1年で一番大切なお休みです。香港でも普段なら、たくさんの荷物を持った家族連れをそこかしこに見かけますが、今年はやはり少ないですね。外出を控えているのでしょう。デモが少し落ち着いてきて、やっと普通の市民生活が戻ってきたところなのに、なんともやるせない感じです。

 

 

これ以上感染、被害が広がらないことと、事態の一刻も早い収束を心から願っております。

 

さて、動画に参りましょう。前回の記事では「中田敦彦YouTube大学」自体の話で終わってしまいましたが、今回は動画の内容を説明していきたいと思います。前回もリンクを貼りましたが、今回ご紹介する動画はこちらになります。

 


【安倍内閣】現政権の中心人物を知れば政治がもっと面白くなる〜前編〜

 

これは前編の動画で、中編、後編とあります。今回の動画の中田さんの目的はずばり「多くの人に政治に興味を持ってもらう」ことでしょう。

 

サッカーの日本代表の発表ってすごく盛り上がりますよね。それは選手の個性がわかっていて、どの選手が入るとどういうチームになるのか、どのような戦術になるのかある程度わかるからですよね。逆にサッカーに興味がない人は、誰が入っても違いがわからないので、発表を聞いても「ふーん」で終わってしまうわけです。

 

政治も全く同じで、政治家一人一人の個性がわからないと、どこが与党になろうが、誰が大臣になろうが、違いがわからないので興味が湧かないということです。そこで、中田さんが今回は自民党に関してだけですが、主な政治家の個性を説明していく、という内容になります。

 

さて、中田さんは毎回参考文献を冒頭に紹介しますが、今回の動画の参考文献は、中島岳志著「自民党・価値とリスクのマトリクス」という本です。

 

で、前編で中田さんのことを擁護しておいてあれなんですが、ちょっとしっくりこない部分もあったんで、他の人がこの本をレビューしている動画はないかなーと思って検索したら、ご本人が説明している動画がありました。それがこちらになります。

 


いまこの本を読め・第9回「中島岳志(後半)『自民党 価値とリスクのマトリクス』」(スタンド・ブックス)

 

なので、今回はこの2つの動画を並行して紹介していきますね。

 

まず中田さんの動画では、マトリクスの縦軸の上に「国家が面倒を見る経済」、下に「個人が努力する経済」を、横軸の左に「個人主体の価値観」、右に「国家主体の価値観」を置いています。それに対し、中島さんの元々のマトリクスでは、縦軸の上が「リスクの社会化」、下が「リスクの個人化」、横軸の左にが「リベラル」、右が「パターナル」となっています。やはり中島さんの元々の方では、言葉だけではちょっとわかりにくいですよね。なので、中田さんがわかりやすく翻訳した感じになっています。

 

中田さんの図を以下に張ります。

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安倍内閣のマトリクス(中田敦彦YouTube大学から)

で、今回は、現内閣総理大臣である安倍さんと、将来の内閣総理大臣と目される小泉進次郎さんについてのみピックアップしてお話します。

 

安倍さんについて、私が一番納得できなかったのは、中田さんによるとですが、安倍さんは自虐史観」について疑問を呈している、と。小学校や中学校の教科書に、日本のアジア侵略について書かれている、と。私もはっきりとは覚えていませんが、多少は書いてあったように思います。これに対して阿部さんは、「この教科書で学んで、子供たちが日本に誇りを持てますか?」と言っていると。「自虐史観をあえて教える必要はない、 そういうことは大人になってから直面すればいい問題」だと。そういうことを言っているらしいんですね。

 

難しい問題なんで、個別な問題に関しては言及しませんが、私が感じる違和感は、そもそも「誇り」も「自虐」も国が押し付けるものではない、ということですね。記録の残っている「事実」を教えるべきで、それを誇張する必要もないし隠す必要もないと私は思います。事実を伝え、どう感じるかは、国民1人1人の判断にゆだねる。国はその判断材料を与える努力は最大限してほしいと思います。

 

で、安倍さんはこの横軸に関して信念を持っている政治家さんであるということです。縦軸の経済に関してはおそらく、強い信念も、確たる知識もないのでしょう。だから、アベノミクスも中途半端に終わるし、消費税も財務省の言いなりであげちゃうんでしょう。

 

さて、さらっと阿部さん批判をしたような気がしますが(笑)、飛んで、小泉進次郎さんに関してです。彼は、横軸の価値観に課しては明確な意見を言っていないようです。で、縦軸に関しては、基本、今の自民党全体がそうですが、下側、資本主義、競争主義を促進する側ですね。規制緩和路線、言ってしまえばグローバリズムですね。

 

小泉さんは大学卒業後に3年間アメリカに留学しています。その3年目に「戦略国際問題研究所CSIS) 」というところに所属して、いわゆるジャパンハンドラーズ、言ってしまえば、アメリカの国益のために、日本をどう扱うべきかを研究する専門家たちとつながり、多大な洗脳、ではなく(笑)、影響を受けたようです。

 

小泉さんのインタビューも少し見たんですが、「自助努力」が大切だ、というようなことを言っているんですね。これにも私は違和感を感じました。自助努力って、なんか頑張ってない奴が悪い、みたいな言い方ですよね。

 

基本人間は頑張りたい生き物だと私は思います。頑張って、結果出して、感謝されて、生きている意味を感じていたい。頑張れない人たちは、頑張れない環境にいるだけじゃないでしょうか。そういう人たちに頑張れる環境を提供する、頑張れるように後押ししてあげる、それが社会の役目であり、国の役目ではないでしょうか?

 

というわけで、現在の自民党は基本このマトリクスの右下にいるわけです。では自民党がずっとそうだったのかというと、全くそんなことはないわけです。以下、本人の中島さんの図の引用です。

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自民党一回転論(中島岳志著「自民党・価値とリスクの名トリクス」から)

この図を見ると右上のIのゾーンにいた田中角栄からぐるりと回って、今のIVのゾーンに来たわけです。IIからIIIのゾーンにググッと持っていったのが橋本龍太郎で、その後の小渕さんがIIのゾーンに戻そうとしたんだけど、残念ながら早くに亡くなってしまいます。その後また下にぐっと引っ張ったのが小泉純一郎で、それを右にぐっと引っ張ったのが安倍さんというわけですね。

 

こうして、思想の多様性は認めないけど、自分のことは自分で面倒見てね、という現在の安倍政権ができたわけですね。しかも普通下側は、国は個人の面倒見ないけど税金も低いよ、という社会なんですが、安倍政権は消費税も上げちゃったという、庶民にとっては悪いとこどりみたいになってます。

 

じゃあ他の政党はどうなんだろう?と、気になった方がいらっしゃると思うので、こちらも中島さんの図を貼っておきます。

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他政党のマトリクス(中島岳志著「保守と立憲」から)

 これを見ると野党はIIのゾーン、つまり今の安倍政権の対角にいることがわかります。「国民民主党」や、「れいわ」もここに入るのではないでしょうか。

 

今後もし安倍政権の支持率が下がり、世論がIIのゾーンを求めるようになると、もしかしたら政権交代もあるのかもしれません。もしくは、自民党自体がIIの方向にまたぐるっと移動するのかもしれません。もしそうなる場合のキーパーソンは石破さんになりそうです。

 

石破さんは元は小泉政権防衛庁長官をしていた方なので、マトリクスの下側にいた人なのですが、中島さんいわく、最近IIのゾーンに考え方が変わってきているそうです。石破さんは次期総理大臣とも目されている人なので、もし石破さんになれば面白くなりそうですね。

 

逆に、このままの安倍さんの流れで、小泉進次郎氏が総理大臣になるようなことがあると、ますます格差が広がり、国民は働けど豊かにならず、一部の既得権益者が日本の資産を外国に売り飛ばしてキックバックをもらう、というような社会が加速していく可能性もあるわけです。

 

いずれにしても、どういう政治を選ぶのか、どういう日本を選ぶのか、選択の権利は国民にあるわけです。これからますます政治に興味を持って、注視をしていきたいと思います。

 

そういう意味で、大きな影響力で、多くの人に政治や経済に興味を持ってもらう動画を日々あげている、中田さんは素晴らしいと思います。そして興味を持ったなら、今回私がしたように、自分で調べてみるということも大事だと思います。本人もおっしゃっているように、中田さんの動画はあくまでも「入り口」なので。

 

では、話が中田さんの動画に戻ったところで、今回の記事はここまでにしましょう。この記事が少しでもあなたの幸せにつながりますように。